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風と虚無の使い魔-1 風と虚無の使い魔-2 風と虚無の使い魔-3 風と虚無の使い魔-4 風と虚無の使い魔-5 風と虚無の使い魔-6 風と虚無の使い魔-7 風と虚無の使い魔-8 風と虚無の使い魔-9 風と虚無の使い魔-10 風と虚無の使い魔-11 風と虚無の使い魔-12 風と虚無の使い魔-13 風と虚無の使い魔-14 風と虚無の使い魔-15 風と虚無の使い魔-16 風と虚無の使い魔-17 風と虚無の使い魔-18 風と虚無の使い魔-19 風と虚無の使い魔-20 風と虚無の使い魔-21 風と虚無の使い魔-22 風と虚無の使い魔-23 風と虚無の使い魔-24 風と虚無の使い魔-25 風と虚無の使い魔-26 風と虚無の使い魔-27 風と虚無の使い魔-28 風と虚無の使い魔-29 風と虚無の使い魔-30 風と虚無の使い魔-31 風と虚無の使い魔-32
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星を見た使い魔-1 星を見た使い魔-2 星を見た使い魔-3 星を見た使い魔-4 星を見た使い魔-5
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デコイ(マルチプレイ) 自分の分身を出して敵の攻撃をひきつけるアビリティ。一度にひとつしか出せない。 マルチのバランス調整でひきつけられる数が減ったが、なお便利なアビリティのひとつである。 狙ってやるのは難しいが、ブルートやバンシーなどに対して、デコイを通路の真ん中に出して引っ掛けるという使い方もできる。 (敵の注意がデコイに向いている場合に可能で、ひきつけた後は攻撃してもこちらを襲ってこない) デコイの使い方 解説 デコイ(マルチプレイ)ランク1デコイ ランク2リチャージ速度 ランク3持続時間 ランク4持続時間 耐久力 ランク5ショック リチャージ速度 ランク6自爆型デコイ シールド 持続時間 ランク1 デコイ デコイで敵の注意ひきつけろリチャージ時間 8秒 持続時間 15秒 デコイ シールド 1000 ランク2 リチャージ速度 リチャージ速度が 25%上昇リチャージ時間 6.40秒 ランク3 持続時間 持続時間 +30%持続時間 19.50秒 ランク4 持続時間 持続時間が 40%延長持続時間 25.50秒 耐久力 シールドが 40%上昇デコイ シールド 1400 ランク5 ショック 展開されたデコイの半径 2.50メートルにいる敵に電撃で 100ポイントのダメージを与える リチャージ速度 リチャージ速度が 35%上昇リチャージ速度 5秒 ランク6 自爆型デコイ 破壊されると爆破するデコイ。4メートルに 300のダメージを与える シールド 持続時間 シールドの強度が 50%上昇 持続時間が 50%延長される持続時間 27秒 or 33秒 デコイ シールド 1900 or 1500
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季節は春。 ここはハルケギニア大陸にあるトリステイン王国の王立トリステイン魔法学院。 その広場では年に一度の使い魔召喚の神聖なる儀式が行われていた。 そして今その儀に向かっているのは、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。 桃色がかったブロンドに白い肌、鳶色の目を持つ可憐な少女である。 だがそのルイズは今かなり焦っていた。 なぜなら使い魔を召喚する魔法『サモン・サーヴァント』を、もう3回も失敗していたからである。 「やっぱりルイズには無理なんだよ!」 「なんたって成功率『ゼロ』のルイズだもんなー!」 周りからのそんな野次にルイズは気丈に言い返す。 「黙ってて!集中が乱れるでしょ!」 そして五たび呪文を唱えだす。 (今度こそ……お願い!!) だが願い虚しく、またも大きな爆発が起きてしまう。 (……ああ……やっぱり、私、ダメなのかな…………) 五連続の失敗に気丈なルイズもさすがにガックリとうなだれる。 だが、しかしッ! 「お、おい、何かいないか?」 「本当だ!何かいるぞ!『ゼロのルイズ』が使い魔を召喚しやがった!」 周りから聞こえる声に驚き前を見上げるルイズ。 爆発の煙が晴れてきたそこには、いかにもウエスタンな格好をした男が倒れていた―― to be continued
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使い魔は灰かぶり-1 使い魔は灰かぶり-2
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ゼロと使い魔の書-01 ゼロと使い魔の書-02 ゼロと使い魔の書-03 ゼロと使い魔の書-04 ゼロと使い魔の書-05 ゼロと使い魔の書-06 ゼロと使い魔の書-07 ゼロと使い魔の書-08
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■ 第一章 ├ サブ・ゼロの使い魔-1 ├ サブ・ゼロの使い魔-2 ├ サブ・ゼロの使い魔-3 ├ サブ・ゼロの使い魔-4 ├ サブ・ゼロの使い魔-5 ├ サブ・ゼロの使い魔-6 ├ サブ・ゼロの使い魔-7 ├ サブ・ゼロの使い魔-8 ├ サブ・ゼロの使い魔-9 ├ サブ・ゼロの使い魔-10 ├ サブ・ゼロの使い魔-11 ├ サブ・ゼロの使い魔-12 ├ サブ・ゼロの使い魔-13 ├ サブ・ゼロの使い魔-14 ├ サブ・ゼロの使い魔-15 ├ サブ・ゼロの使い魔-16 ├ サブ・ゼロの使い魔-17 ├ サブ・ゼロの使い魔-18 ├ サブ・ゼロの使い魔-19 ├ サブ・ゼロの使い魔-20 ├ サブ・ゼロの使い魔-21 ├ サブ・ゼロの使い魔-22 └ サブ・ゼロの使い魔-23 ■ 第二章 傅く者と裏切る者 ├ サブ・ゼロの使い魔-24 ├ サブ・ゼロの使い魔-25 ├ サブ・ゼロの使い魔-26 ├ サブ・ゼロの使い魔-27 ├ サブ・ゼロの使い魔-28 ├ サブ・ゼロの使い魔-29 ├ サブ・ゼロの使い魔-30 ├ サブ・ゼロの使い魔-31 ├ サブ・ゼロの使い魔-32 ├ サブ・ゼロの使い魔-33 ├ サブ・ゼロの使い魔-34 ├ サブ・ゼロの使い魔-35 ├ サブ・ゼロの使い魔-36 ├ サブ・ゼロの使い魔-37 ├ サブ・ゼロの使い魔-38 ├ サブ・ゼロの使い魔-39 ├ サブ・ゼロの使い魔-40 ├ サブ・ゼロの使い魔-41 ├ サブ・ゼロの使い魔-42 └ サブ・ゼロの使い魔-43 ■ 間章 貴族、平民、そして使い魔 ├ サブ・ゼロの使い魔-44 ├ サブ・ゼロの使い魔-45 ├ サブ・ゼロの使い魔-46 └ サブ・ゼロの使い魔-47 ■ 第三章 その先にあるもの ├ サブ・ゼロの使い魔-48 ├ サブ・ゼロの使い魔-49 ├ サブ・ゼロの使い魔-50 └ サブ・ゼロの使い魔-51
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教師な使い魔 平民との決闘-原因は女絡みだった。 二股がばれたギーシュはモンモランシーに謝罪しに行った。 泣きながら怒るモンモランシーは何の謝罪も聞かずにどこかに行ってしまい、捜すのに一苦労した。 こんな危機は初体験ではない、今までだって乗り越えてきた。・・・が、今回はさらなる危機が訪れていた。 男がモンモランシ―の傍に居た。それも平民が。しかも・・・・・ 『口説いていた』ッ!!!! 男-シーザーにとって当然の行為だった。 一人寂しそうにしている女性を見れば相手をするもんだと思い、そのために吐く嘘は正しいと思っているほどだ。 そしてシーザーは、目を潤わすモンモランシーを慰めて(口説いて)いた。 何とか二人の間に入ったギーシュがモンモランシーに謝罪をするが、中々聞き入れてくれない。 「なによ、別にいいでしょ私のことはほっといてよ」ギーシュの弁解にモンモランシーはわざと突き放す態度をとり、シーザーの腕に抱きついて見せる。 「私にも浮気する権利が有るわよ。 あっ、アンタとは分かれたから浮気じゃないか」 「なななな、モンモランシー彼は平民だぞ。それも、ゼロのルイズの使い魔だぞ」 「『ゼロ』、か」シーザーはその言葉に一瞬冷たい態度をとる。 「あんたより、優しいし、ルックスも頼れる感じがして素敵じゃない。浮気する誰かさんとは大違いね」モンモランシーはそう言ってギーシュを冷たい目で睨む。 「ふふふ、そうか、分かったよモンモランシー」ギーシュは何かを吹っ切った陰のある目で二人を見た。 「えっ」モンモランシーはその言葉に焦りを見せる。 「決闘だ!! ゼロの使い魔君、僕と決闘したまえ!! そうすればどちらがモンモランシーに相応しいか分かる!!」 シーザーは怒っていた。 自分の主人-ルイズの性格は大体察していた。 彼は彼女の悲しい性質を見抜いた。 魔法が使えないコンプレックスから、他人と厚い壁を作り、虚栄を見せる。 せめてと貴族としての義務を全て背負い、愚直なまでに貴族らしく有る。 擦り切れていくのは、彼女の道だ。その道が擦り切られ続ければ、いずれ他の道との接点が無くなり、抜け出せない孤独に囚われるだろう・・・。 そのルイズをさらに傷つける言葉-「『ゼロ』のルイズ」 それを軽々しく使う奴をぶちのめす事で、その後ルイズにどんな影響を与えるかシーザーは知っていた。 主人の味方であることを示すため、「主人を侮辱した」という名目で決闘を受けた。 そして決闘。 噂を聞きつけてやってきた血気盛んな学生達はギーシュの圧勝だと思っていた。 だが男は不思議な呼吸音を響かせながら、ワルキューレを一体潰し、武器-剣を奪いその後錬成した七対のワルキューレを圧勝してみせた。 ―ゼロのルイズは面白い奴を召喚したな…。 ギーシュは突きつけられた剣をじっと見る。自分の中で「足りなかった感覚」が戻ってくる。 (ギリギリの! 死と隣り合わせの! こんな状況がぁぁ!! 僕を強くする!!) 「感謝するぞ平民!! こんな状況を待っていたんだ僕は!! さぁここからが本番だァァ!!」 狂ったか? まぁこんな状況だ。平民に剣を突きつけられ敗北しそうなわけだ、貴族として死にたくなる状況だな。と周りが好き勝手思っている頃。 (カエルを車に轢かせるのを楽しむ糞ガキかと思っていたが・・・。 こいつの目、『生き返り』やがった!! こいつにはここから逆転する『強さ』が有る・・・)今シーザーは止めを刺せない。いや刺してはいけない。ここからだ、ここから決闘は始まるんだ。 二人はそれを知っていた。 ギーシュは突きつけられた剣を、「握り締める」。 その手からは「血が流れない」 コオォォォォォ シーザーと似た呼吸音を発しながらニヤリと笑うギーシュ。 「どうした、君のチャンスだぞ?」 「マンマミヤ~。 仕切りなおしだ、ミスタ・ギーシュ。 ・・・まさか君が『波紋』を使えるとは、師匠の名前を教えてくれないかい?」 「『リサリサ』、僕の尊敬する師匠の名だ! 心に刻みたまえ」 「なっ、なんだとッ!?」 ギーシュは昔従者と散歩してた時に賊に襲われた事が有る。 歳が十に届くかどうかってぐらいのガキだった。 乗馬の練習の成果を確かめたくての散歩だった。近くの湖に向かって調子よく馬を操っていた。 その時茂みの中から矢を射られる。賊がギーシュ達を包囲する。 そんな時のために従者がいた、従者はギーシュの馬の手綱を奪い、馬を二頭操りながら駆けた。 もと来た道を振り返り、屋敷に向かった。逃げ道はそこしかない。 賊も行動を起こす、飛び掛った者もいたが従者の魔法でやられてしまった。 しかし彼等は数で攻めれば、メイジ一人には勝てると知っていた。 手を休めず、矢を射る。 矢はギーシュの馬に当たった。 ギーシュは馬から投げ出された、地面を転げ、顔に擦り傷を作り、見た。 一人逃げ続ける従者を。 従者も知っていた、メイジとはいえ自分一人で賊には勝てないと。 「待って! 待って! 待ってよぉ!!」頭もぶつけたので、視界が少しぼやけている、それが逆に想像を掻き立てた。 従者が養豚場の豚を見るような目でこっちを見たと思った。 -可哀想だけど、貴族の息子に生まれるってのにはリスクもあるってこと。政敵に命を狙われんのね。 って目だ。 ギーシュは一瞬、「戻ってきて助けてくれるのでは?」と思っていた。しかし希望は粉微塵になった。 振り返り賊を見る、自分がどんなめに遭うかは全く解らない。ただ夢の世界の終わりを知った。 行き過ぎたパニックを敵に見せるのを嫌い、それを押さえる。 そうすると不思議な冷静さが現れた。 -自分は想像の付かない、酷い目に会うんだろう? うん、解った・・・。生き延びるには、戦うしかない!! 一人になり、一切の庇護の無い状態になり、 少し闘志が沸いてきた。 「グラモン家三男、ギーシュ・ド・グラモン。 反逆者の相手をしようではないか!!」 この言葉は誰にも聞こえないような小さなものだった。さすがに啖呵を切るほどの度胸も経験も無い。 しかし戦う意思は動き出す。 震える手でバラを取った、彼自慢の護身用の簡単に携帯できるサイズの杖だ。 攻撃魔法なんてまだ知らない、格好付けるために持ってるだけだ。 しかし一つだけ魔法が使える。 サモン・サーヴァント 使い魔召喚 この魔法の話を聞き、是非自分にぴったりの使い魔を召喚したく新しい呪文を子供心で考えていた。まさかほんとに使う日が来るとは・・・。 杖を上げ、敵を睨み、微塵になった希望の先にある、闘志に火をつける。 「尊厳の中佇む、美しき覇者!! 月に照らされる悪魔を駆逐する、追放者!! 永遠を生きる愚者を刈り取る、狩人!! 僕が君を望む!!」 「サモン・サーヴァント」の魔法が形になっていく。 ギーシュの望みを何かがプッシュした。魔法は成功した!! 光が現れる。見慣れない魔法に賊は思わず動きを止め、身を潜める。 光は形を作り出す、使い魔が現れる。 できれば移動能力が高い奴に来て欲しい・・・。 現れたのは・・・一人の女性。 腰に届く長い髪、目を見張るナイスバディの美しい女性。 「ここは?」 女性は辺りをゆっくり見渡す。動きに色っぽさが有るが、その動きは戦闘者のそれだった。全く無駄の無い、どんな奇襲にも対応できる動き。 しかし敵は複数人いる。一人の武術家の登場で、状況は好転するだろうか? 「すいません。私が貴方を召喚しました」 「召喚? 聞きたい事は山ほど有るけど・・、それどころじゃないわね」辺りに充満する殺気を目でなでる。 「ええ、賊に襲われています。しかし貴女は無関係だ・・・」その先に言うことは「貴女は逃げて下さい」だ。 唯一の魔法は最悪の失敗。無関係の人間を危険に巻き込んでしまった。 貴族としてのグラモン家の人間としての最後の義務、最後の一言・・・、しかしそれを言う前に女性は言った。 「逃げる? それは勝てない戦いのときと、犯罪者のすることよ。 勝てないのも、犯罪者もあっちよ」 女性には息子がいた。息子が知り合いの石油王と一緒に誘拐されかけた事がある。 彼女にとって、この事件は他人事では無い。 ギーシュはこの奇妙な格好をした女性がおこしたその時の活躍を生涯忘れない。、そして自分の目標にした。 女性は奇妙な呼吸音を響かせながら歩き出した。 向かってくる敵を叩き伏せ、止めの一撃の時に一瞬光を発する。あれが彼女の能力なのだろう・・・。 辺りには意識を失った賊が散乱している。 ギーシュは劇を見終えたように錯覚した。女神が風のように敵をなぎ倒し、無力な少年を助けてくれる劇だ。 そして勝利した女神は舞台挨拶のため観客の前に再び現れる。 「終わったわ、行きましょう」女性は賊の馬を二頭を引き連れている。 ギーシュは近づき感謝の言葉を捧げる。何とかありきたりなお礼を言うことができた。 「貴方を何とお呼びすれば良いですか?」 「リサリサ、と呼んで頂戴」 ギーシュはリサリサをまばゆい太陽の女神だと思った。 屋敷までの道中に、「異世界」から来たことや、「使い魔」の話をした。 今後のことを相談し、暫らく屋敷で雇いリサリサが帰るための手段を捜すことにした。 ギーシュは何かを思い、リサリサと契約はしなかった。 (今思えばテレていたのだろう・・・。) 先に逃げた従者は屋敷から追い出された。 罪に問うこともできたが、あえてそれはしなかった。 無力さが原因だと知っているギーシュは、彼を罪に問うことに反対した。 自分の無力さから目を逸らすためか、彼に同情したのかは分からない。多分両方だろう。 リサリサを屋敷に新しい召使として雇い入れ、二年間共に過ごした。 その二年でギーシュは変わった。 リサリサに戦い方を何度も教えるよう頼んだ。そのたんびに断られたが、リサリサが一人で訓練してる様子を盗み見しながら、技術を亜流だが体得しようとした。 どうしても「波紋」の力が欲しかった。 メイジとしての訓練もしたが、何よりもリサリサに近づきたかった。 彼女の気高い姿に近づきたかった。 暫らくそんな事を続けていると、訓練中にリサリサから声をかけられた。 なんでも「波紋」の力は「生命のエネルギー」を扱うものだから、間違った方法で身に付けると自分の体に重大な欠陥ができてしまうそうだ。 そこで二つのことを提案した。 「波紋」の修行を止める道。 「波紋」の修行を本格的に始める道。 後者の辛さも説明されたが、ギーシュに迷いは無かった。 ギーシュはリサリサから波紋の修行受けることが出来るようになった。 リサリサは一度教えるとなったら、本質の全てを体得させようと厳しい訓練を課した。 いずれ帰る方法を見つけてすぐ帰るのだ。その時にギーシュの修行が半端になってしまってはいけない。とくに心構えについては、スパルタで仕上げられた。 リサリサが帰る手段を探しに旅に出るとき、ギーシュは家に残るように言われた。しかし何時もこっそり付いて行っては合流していた。 両親もリサリサが良い師匠だと解っていたのでそこは黙認していた。 リサリサとの旅は身を焦がす充実感があった。 オークの群れに囲まれたこともあった。 竜の巣に入らないといけないこともあった。 とても満たされていた。 そして・・・。 リサリサが帰る瞬間はあっという間に来てしまった。 ある村に残された書物に可能性が書いてあった・・・。 ある場所で扉が現れるらしい。 とにかくそこに行ってみる・・・。 偶然・・いや運命が、その日は扉が開かれる条件を満たしている日だった。 そしてそこに辿り着いた。 扉は開かれていた。そこは目に見えないが風の流れ方が違った・・・。 その前に佇むリサリサ。 別れの時が来た・・・! ギーシュは、リサリサに行って欲しくなかった。 しかし貴族のプライド、男の意地がそれを止める。 -今ここで引き止めたら、マンモーニじゃないかッ!! 「ギーシュ、立派になったわね・・・」 ギーシュはその声に体を強張らせる。終わりを悟った。 「前にも言ったけど、私は前の世界にやり残したことがあるの。柱の男達の復活は近づいている、帰ったらもうすでに復活しているかもしれない・・・」 -行って欲しくない。 「人には運命が有るわ、私には私の運命、やるべき事が。 彼方には、彼方の運命が何時か来るわ。 それに立ち向えるだけの力を彼方は持っている。 彼方が学んだことの全てが輝く日が来るわ」 -行かないで。 「さようなら、ギーシュ。 どんなに離れても愛してるわよ・・・」 リサリサも二年間を共に過ごした弟子に愛情を持っていた。 -行かないで。 逃げる奴には簡単に使える言葉なのに、何でいえないんだ? リサリサはすでに背を見せている。 始めてリサリサを見た時から変わらない、ずっと見続けてきた、ギ-シュの追ってきた姿。 -ああ、これが戦士の出陣だからだ。 止 め れ る 訳 が 無 い !! 「先生!! 有難う御座いました!! ギーシュ・ド・グラモンはリサリサ先生から焼き付けられた、 『勇気』を生涯忘れません!!」 リサリサは振り返らない。満足そうに足を進めた。 ・・・それからリサリサに会った事は一度も無い。生涯の別れになっただろう。 たまに悲しくなるけど、それでもいい。 リサリサとの出会いはギーシュの心を熱くした。 もう無力感が立ち塞がったりしない。 熱い情熱がこの身を動かす。 -また旅に出よう!! 「えっ駄目ってどゆこと?」 旅に出ようとしたら、両親に止められた。 リサリサがいたから、旅を黙認していたのだ。一人旅なんて、子供が大事な親なら反対して当然だった。 それにメイジとしての勉強も滞っている。 結局理由をつけて旅は却下された。 ギーシュも親に逆らうわけには行かないと思い、言いつけを守った。 自分の情熱に苦しめられる二年を送った。 その後トリスティン魔法学校に入学して、平民と決闘するまで、彼の魂はくすぶり続けていた。 シーザーとギーシュの決闘。 勝敗は付いていた。 ギーシュが殴りかかってから攻防が続いたが、ギーシュが圧倒されていた。 レビテーション、落とし穴、ワルキューレ、波紋、全て使って応戦したがシーザーの波紋を練った肉体に止めとなる攻撃には到らなかった。 波紋の訓練は続けていたが、シーザーの命がけの訓練とは質も量も違いすぎた。 それでも戦っていた、戦っていたかった。 「なかなかやるな、だがもう止めたらどうだ? その右腕もう動かないんだろ? 誰も君を責めたりしないさ、大健闘じゃないか・・・」シーザーが言う。 「君が僕と同じ状況で、自分から降参するかい? 腕をもがれようが、足を吹き飛ばされようが、後もうちょっとで勝てる相手に勝利を譲るなんてさ!!」 吼えるギーシュ。垂れた血がズボンを染めている。顔も血の線が入り、いい感じに男前になっている。 そして力の入らない利き腕を上げ、ひびの入った足を庇うのを止める。 「波紋」の呼吸も乱れているので、全身の痛みがよく解ってしまう。 最後の攻撃 残った波紋を込めてギーシュが攻める。 間合いを一気につめ、蹴りを放つ。 ギーシュの捨て身の攻撃を警戒してシーザーは素直にブロックする。 しかしその蹴りは目の前を通過していく。この一撃はフェイント。 蹴りの加速を利用し、口に咥えたバラを飛ばす。メイジの命とも言える、杖を捨てる攻撃。 「ヌヌウッ・・・!」シーザーの喉にバラが刺さる、ブロックの隙間を縫って。 「ふふ、波紋入りの薔薇のトゲは痛かろう」 喉をやられ呼吸を乱したシーザーの体は一瞬波紋のガードが解ける。 ギーシュはさらに体を回転させ、蹴りを放つ。 -この隙に一撃を入れねば勝機は無い!! 一撃は・・・入った!! シーザーは蹴りで飛ばされる。波紋のガード無しでくらってしまった。 -マンマミヤッ! とんでもない奴じゃないか!! 力の差を感じながらも、果敢に向かってくる。間違いなく好敵手!! シーザーが急ぎ喉からバラを取り出す。 か細い波紋の呼吸で喉の治療を開始する。全体の波紋は弱くなってしまった。 目の前にギーシュは佇んでいる。来る!! 「・・・」ギーシュはシーザーを見下ろし続ける。 「ギーシュ・・・!?」 「・・・」 「こ・・・こいつ。 ・・・気絶している・・・!」 さっきの攻撃で全ての波紋を使い切った。ギーシュは体を動かすエネルギーを出し切っていた・・・。 久しぶりの戦いだった。 惨敗だったが気分が良い。勝ってたらもっと良かったんだろうが、負けて良かったんだろうとギーシュは思う。 決闘の数日後、二人は親友になっていた。 二人は波紋の訓練を共に積み。よく一緒に行動した。 話したいことも、聞きたいことも山ほどあった。 (ちなみにギーシュの方が兄弟子になる。シーザーはリサリサが四年前に帰った後の弟子。) ただそれを快く思わない人も・・・。 「このバカ犬ーー!!」 「最低よギーシュ!!」 ルイズとモンモランシーである。 シーザーとギーシュこんなたらしな組み合わせが有るだろうか? 今回も見に覚えが有りすぎるどれかを目撃されたのだろう。二人の名誉のために言っておくが、二人は決してとっかえひっかえ遊んでいるわけではない。 シーザーはさびしそうな女性に話しかけ、元気付けてるだけだし(ちゃんと美味しいめにあってる。) ギーシュも女性を傷付けるのは酷い事と知っている。(女性にバラを振り撒いているだけだ) ・・・だめだ・・二人の名誉を守んのは無理だ。 その日、二人が保健室に一泊した。 一人は全身火傷と擦り傷を作っている。 もう一人は何かの薬品のせいか時折痙攣を起こしている。 そして二人とも何故か首輪を付けられていた・・・。 ルイズ 決闘の活躍で少しシーザーの評価を改める。がすぐにその本性がスケコマシで有ることに気づき、この奇妙な使い魔の女癖の悪さを直すために調教の日々を送っている。 シーザー 主人の名誉のために戦い少し良好な関係を築くが、すぐに台無しになる。 ギーシュとは友人として付合い、共に波紋の修行をしている。 ルイズのことは妹のように思い、大切にしている。 (ちなみに決闘では、殺傷力の高い波紋カッターなどは使わなかった。このことをギーシュに言うと、波紋で必殺技が作れることに驚き、自分の必殺技を考えるようになった) ギーシュ シーザーとの決闘に敗れる。その後友人になる。リサリサが無事に帰った話を聞き安心する。 当面の目標はシーザーに勝つこと。情熱の行き場を見つける。 たまにモンモランシーに怒られるが。なんとか上手いことやっている。 モンモランシー 決闘のギーシュを見て、結局よりを戻した。 ギーシュの女癖の悪さに苛立ち、惚れ薬の調合を始める。
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『鉄塔』の使い魔@第一塔 『鉄塔』の使い魔@第ニ塔 『鉄塔』の使い魔@第三塔 『鉄塔』の使い魔@最終塔
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中庭には眼鏡とキュルケがいた。勉強会でもしていたのか、眼鏡は本とノートを持っている。 「ちょっとルイズ。あなた使い魔に逃げられたらしいわね」 うわ……もう広まってるじゃないの。わたしをここから追い出そうっていう闇の勢力でもいるわけ? 「キーシュの使い魔は大活躍だったって聞いたけど。同じ平民でも随分違うものねぇ」 何よ、あんな爺さんがいいの? 見境なし! 淫乱! 色魔! 肉欲の権化! 「コントラクト・サーヴァントまでしておいて従わせることができないなんて」 あーもうやだやだ。こいつ無視無視。おっぱいおっぱいおっぱい。 「あなたらしいわ。さすがゼロのルイズ」 おっぱいおっぱいおっぱいおっぱい。 「ねえ、あなたわたしの使い魔見なかった?」 眼鏡は首を横に振った。役に立たないわね。 「そっちのあなたは見なかった?」 「見てはいねェー……だがヨォ、ラッキープレイスはルイズの部屋って感じダぜェ」 おおお、このドラゴン口をきくんだ。主に似て物言いは無礼だけど素直に凄いわ。 「……今のは腹話術」 えええええっ、そ、そっちの方がスゴイッって! ここで腹話術を出すセンスはともかくとして、意外にユーモアあるのね、この眼鏡。 「ルイズ。あなたタバサのドラゴンが見えてるの?」 「見えてるのって……見えるに決まってるじゃない!」 どこまで人を馬鹿にすれば気が済むんでしょうね、このおっぱい的存在は。 「アンタもスタンド使いになッたンだなァールイズ。ビックリだッツーの」 スゴイわねえ。唇なんて全然動いてないじゃない。この子にこんな芸があったなんて驚き。 ところでスタンド使いって何だろ? 無知を晒すみたいで恥ずかしいから聞かないけど。 あとでグェスにでも聞いてやるか。あいつ下らないこと詳しそうだし。 「いつまでそこにいるつもりだ?」 少女は伏せていた顔を上げた。話しかけられていたのかと思ったが、そうではないらしい。 普段の口調には、静かに抑えられた蔑みと上っ面以下の敬意が込められていた。 今の言葉からは、ある種の親しみが感じられた。同族への友好的感情といってもいい。けして少女には向けられることの無いものだ。 自分達以外の誰かがいる恐怖、唐突に動いた使い魔への困惑、場違いな嫉妬、それらが混化し、本人さえ理解しがたいものになり、少女は使い魔を見た。 使い魔の目は少女から逸れ、部屋の端へ向けられていた。何も無いはずの空間を凝視していた。 部屋の中には少女と使い魔しかいない。いくつかのパーツに分かれた使い魔が部屋のあちこちで蠢いている。 「顔くらい見せてもいいじゃあないか」 使い魔の口は動いていない。だが、声は聞こえる。 使い魔の声質に似ていたが、決定的に違う部分があった。 その声は空気を震わせることなく、頭の中へ直接割り込んでくる。 「私は君に従おう。君の目的は知らないが、なんとなく想像はつく。協力させてほしいだ」 口をきいているのは使い魔ではなかった。 少女はベッドから半身を起こし、悲鳴を飲み込んだ。右手で左腕を強く掴んだ。爪が食い込み、血が滲むほど力を入れた。 「主は君だ。私は従で充分だ」 使い魔の傍らに緑色の「何か」がいた。人ではない。人の形に似ていたが、絶対に人ではない。 下半身は醜く潰れ、肩や頭部からは無数の管が突き出ていた。 人形の全身にこびりついた緑色のカビが、少女の使い魔と関係があることを証明している。 目は二つあるが、人間の黒目にあたる部分は存在しない。全体が大雑把でいびつな造りをしていた。 「私には過程があればそれでいいんだ」 幻覚を見せられているのだろうか。握り締めた左腕が悲鳴を上げていたが、少女の耳には「何か」の声しか聞こえていない。 「君と戦おうとは思わん。それだけは分かってほしい」 緑色が薄れ、その声が遠くなっていく。少女はベッドから立ち上がった。この部屋にいたくない。 もつれる足で扉へ向かい、ノブに手をかけた。回そうとするが、汗で滑って上手く回せない。 「……お夜食、もらってくる……ね」 聞かれてもいない言い訳を口にした。 貴族嫌いの料理長に頭を下げるのも毎夜のことで、いまさら言葉にするようなことではなかったが、この異常な状況下、言い訳の一つも無しに部屋を出れば何をされるか分からない。 なんとかノブを捻り、扉を開け、外へ出ようとしたところで足を止めた。 少女の意思で止めたわけではない。足首に纏わりつく使い魔の指先を感じ、少女は足以外の動きも止めた。痛いほどに鼓動を速める心臓だけが、例外的に動き続けている。 「スカラファッジョ、あなた見えていましたね?」 千切れた左腕、ねじくれた右腕、胴体から生えた脊椎のような触手、どんなに気持ちが悪くとも払いのけることは許されない。 「ふむ……ふむ、ふむ」 右手で鼻をつままれ、左手に顎を押さえられた。口をこじ開けられ、使い魔が鼻を差し込んで匂いを嗅いでいる。 足が服の内側で這い回っている。そこに劣情は全く感じられず、それゆえ尚の事恐ろしい。 眼窩に指が差し込まれた。蚯蚓じみた長い中指が深く潜り、眼球の裏を撫でた。 震える足を気力で支え、倒れはしないように耐えていたが、使い魔の傍らに緑色の人形が現れた時点で少女の膝は恐怖に屈した。 緑色が腕を振り上げた。親指を内に握りこみ、それ以外の指は伸びた状態で揃えられている。 何をしようとしているのか理解したが、目を逸らすことはおろか、瞬き一つできない。 振り上げられた手が、何のてらいも無く、振り下ろされた。 見開かれた瞳から涙が一滴、それに合わせ、閉じることを忘れた口の端から唾液が糸を引いて床に落ちた。 「……違うな」 手刀が頭を割る直前で人形は消え失せた。だが、少女はへたり込んだまま動かない。 光彩を淀ませた瞳からは次々に涙が零れ落ち、口元は震えるだけで開くことも閉じることもない。 使い魔は少女に興味を失くしたのか、全ての体を元いた位置に戻し、活動を再開した。 ――スタンド使いを召喚した者にもスタンドが見えるのか? スタンド使い使い……ふん。 ――スカラファッジョか。たしか意味は……へっ、いい趣味してやがる。 どれほどだいそれた力を持っているとしても、種が割れていれば恐ろしくはない。 一瞬で壊れた物体を直そうが、光速を超えて時間を止めようが、いくらでもやりようはある。 策を練ることはけして不得意ではなかった。むしろ得意だった。 自分をより強い快楽へと導くための作戦を立てるため、じっくりと事を煮詰めるその時間は、時として実行時の愉悦を上回る。 だがそれも相手を理解していてこそだ。 仕事が終わってからの一杯をかかさない。 髪の毛をけなされればブチ切れる。 毎朝牛乳を飲んでいる。 母親が美人。 些細な情報でもかまわない。蟻の穴がきっかけで堤防が決壊することは珍しくない。 ――だが、野郎は……。 能力を尻毛の先ほども見せない。大切な物が分からない。主を人質にとも考えたが、現状を見る限り喜ばせるだけだろう。 水蒸気になって忍び寄る。雨に紛れて寝込みを襲う。闇雲に行動を起こすのは簡単だ。 だが相手の能力がこちらの意図を上回るものだったとしたら? 人間でないことは見た目で丸分かり。そんなわけの分からない生き物の体内に入っていいものなのか? 全て罠だったらどうする? 液体にさえダメージを与えるような力があったら? 何かに閉じ込める、全てを凍りつかせる、そんな能力だったら? すでに本体を認識されていたら? そのいずれか一つだけで全てが終わる。 ――しかも、このオレに気づいてやがった。 その上で気づいていることを教え、さらに余裕を崩さずこちらに呼びかけた。自分のスタンドを曝け出し、全てを明かしているポーズをとって話しかけてきた。 その態度、そして泡を食って逃げ出した自分自身に腹が立って仕方ない。 ――ケツ穴がいい気になりやがってるな。オレの前で調子に乗ってやがるな。 いい気になっているやつを許す趣味は無い。例外なく後悔させる。 近寄らずに消す手段は一つだけあった。そして、その手段はもうすぐこの学院へやってくる。 ――クヒヒッ、ヘハハハッ、フウウッヘヘヘヘ……ああ楽しみだァ。思うだけでも気分が晴れるぜェェェェ。 自分の強みは「情報」にある。下水の中、天井裏、排水溝、人が嫌がるあらゆる場所を這い回り、この学院を知ろうと努めた。 結果、表から裏までの全てが自分の中にある。部屋の中で本の表紙を眺めているだけの使い魔には手に入れられない情報を持っている。 食堂で大暴れした爺使い魔、ルイズの下着のローテーション、飽く事の無いキュルケの情事、ロングビルの裏仕事。 近いうちに開催されるであろう使い魔大品評会。 使い魔大品評会。 ――それまでは我慢してやるぜ。オレの性にゃ合わねェがよォ。 使い魔品評会は実にいい機会だ。実戦に近い模擬戦には事故がつき物。そうとくればやることは一つしかない。 一つ一つの挙措に隙が無いハゲ教師。裏で汚れ仕事をしているらしいチビ眼鏡。おかしな力でメイジを一蹴した糞爺。世界有数のメイジと噂される学院長。あとは自分以外のスタンド使いとその主人。 緑色を消し、これらの邪魔者もいなくなれば、この学院は自分の天下になる。 ここは一年ごとに新しい子供が自動供給される天国のような場所だ。誰にも譲ることはできない。 犯してやろう。切り取ってやろう。抉り出してやろう。打ち付けてやろう。ぶちまけてやろう。 中から苦痛と快楽を繰り返し与えてやろう。親友同士で楽しませてやろう。 魔法を使うのもいい。小利口な貴族連中では思いもつかないやり方を考えてやろう。 全ては使い魔大品評会だ。そこから始まる。そこから始める。 別にタバサの使い魔信じたわけじゃないけど……あ、あれ腹話術だったっけ。 別にタバサの言うこと信じたわけじゃないけど、自分の部屋に戻ってみることにした。 わたしはわたしなりに反省したけど、グェスだって反省しかもしれないしね。 部屋の中で正座して待ってるかもしれない。 ここまでポジティブに考えてるのに、渡り廊下でマリコルヌに遭遇するし。またよりによって。 ううう、普段人通りが無いところを選んで歩いてきたのに。 「……」 ん? からかわれることを覚悟してたのに、マリコルヌは元気なさげ。 いつもゼロゼロゼロしか言わない風邪ッぴきがおかしいわね。 どうしたんだろ。食堂の騒ぎが伝わってないのかな。だったらラッキー。 「どうしたのマリコルヌ。元気無いわね」 「いや……別に」 「わたしの使い魔見なかった?」 「……別に」 わたしに目を合わせず、腕にひっついた使い魔の蛙をジッと見ている。 これは怪しい。何か企んでいるようね。 どうやってわたしを陥れてやろうか、そんな雰囲気が漂ってるわ。 ふん、そっちがその気ならわたしだって受けてたってやるんだから。 「あのね。病気じゃないならもっと胸を張りなさい。人をからかってばかりいる不遜なあんたはどうしたの」 バァーンっと背中叩いてやった。マリコルヌはむせてるけど、わたしはちょっとだけスッとした。 マリコルヌは放って渡り廊下を後にする。あーあ、こんなことでしか憂さを晴らせない自分が情けない。 今のわたしって、この学院で一番不幸な女の子なんじゃないかしら。